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「昨日の放課後、…どこ行った?」
ゆったりと椅子にもたれ、手すりに乗せた肘から伸びる指先で唇をいじる優の姿に戸惑いが見える。
「昨日?」
優は「そう」、と頷く。
「部活してたよ?」
「じゃなくて、その後」
「後?」
思い出すのは友と行ったドーナツ屋さん。
「ドーナツ食べたっ」
チョコレートとお砂糖のあまくて幸せな味を思い出して、ついにんまりしたんだけど。
そんな私をギロリと睨む優の鋭い瞳に、幸せな味なんてどこかへ吹っ飛んだ。
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