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待ち合わせ場所へ行くと、優の姿はまだなかった。
時計台の周りに咲く花に心を奪われる。
「きれい」
そう呟く私に
「そうだね」
という返事。
聞き覚えのない声に、横を見ると。
「だっ、誰っ?」
見知らぬ男と視線がぶつかった。
「君とデートしたいなぁ、って思ってる男だよ」
派手な金髪を揺らし、下品な笑いをする男に背筋がぞっとする。
「待ち合わせしてるんで…」
そういっても全然聞いてないこの男は、
「カラオケとボーリングどっちが好み?」
なんていいながら、私の腕を引っ張った。
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