第10話*追いかけごっこ
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「ちょっと!」 力には自信がある。 めいっぱい力を込めた拳を男めがけて振り下ろす。 「おっと」 けど、そういい軽やかに交わされ、私は体のバランスを崩した。 「俺、有段者」 左手で私の腕を掴み、空いた右手で自分を指差しにんまり。 「君も何かしてるっぽいね。スポーツセンターの方が好きかな?」 そういって私の腕を引っ張る手を、どうしても振りほどくことが出来ない。 「や、やだっ!!」
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