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引きずられないように、腰をめいっぱい落とす不自然な私の姿を見ても周りの人は誰一人助けようとしてくれない。
「やめてよ!」
残念ながら、ナンパをされるような容姿なんてしていない。
魅力的な体も持っていない。
なのにどうして私!?と思って、目をぎゅっとつぶるしかない私の上から、聞き覚えのある声が降ってきた。
「手ぇ離せよ」
黒のシンプルなトップス。
トップスと同色のパンツを合わせ、ウエストには光を受けて上品に輝くベルトが裾からチラリと覗く。
学校でみるよりもほんの少し派手めに散らした髪と、怒りを秘めたその瞳に目を奪われ、私もその男も動くことが出来なかった。
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