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「はいどうぞ」
月曜日の教室。
朝錬を終えた私は、久恵から数冊の雑誌を受け取った。
「ありがとう!」
昨日、お洒落に気を使おうって決めた私は、久恵に優との事を報告しつつ雑誌を貸してとお願いした。
「まさか美希にファッション雑誌を貸す日が来るなんて、恋の力って偉大」
そうからかう久恵の目は三日月形。
「その目いやらしいっ」
「うひひひひ」
いつもの私と久恵の意味のない会話。
だけどこういう会話が一番楽しい。
「でも、よかったね。改めておめでとう」
久恵の笑顔に、また実感がわく。
「諦めないでよかった…」
私がそう呟く言葉の重み。
何度もうなずいてくれる久恵は、誰よりも理解してくれていた。
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