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それは隣に座る王妃も同様で、再びさくらを凝視する。
「紅い……瞳?
確かに桜子は茶色の瞳をしていたわ」
二人が眉を寄せる様子をさくらはキョトンとしたまま眺めていた。
「そっか、貴方があたしのお祖父ちゃんなんやね」
にこっと笑って放ったその一言に、その場に居る誰もが驚愕に打たれて言葉を失った。
カグヤ、ククリ、シルヴァーノ、ジレリオ、悟が沈黙の後に叫び声をあげてパニックに陥るまで時間はかからなかった。
「東雲、悪い冗談はよせ!」
「さようでございます!
王族に戯言など、死罪に値します。取り消すなら今ですよ!」
息の合った二人に圧されるさくら。
シルヴァーノは口元に手を当てて、複雑な想いに駆られた。
「では、わたしとさくらは姉弟……?
いや、姪に当たるのか」
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