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「今日は朝から驚くことばかりだ。
わたしは少し休むことにするよ」
「さくら、こちらへ」
ククリが差し伸べた腕に惹かれるように、さくらの足は自然と前へ進んだ。
さくらが近づくと、ククリはそっとその胸に抱き寄せる。
「えっと……?」
戸惑うさくらの額に、ククリは頬擦りした。
「よく還って来ましたね。
今日はゆっくり休み、機会があれば街へ赴くと良いでしょう。
貴女が気に入るものが、きっとたくさんあるはずだわ」
「はい、ククリ王妃さま」
「王の子孫は、わたくしの子孫でもあます。ここに居る間は、身内だと思って過ごしてくださいね」
その一言に、さくらの中で何かが解けた感覚がした。
母でさえも、こんなスキンシップをとることがなくなったのもあるだろう。
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