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その瞳の色は、王家に代々受け継がれてきた身内の証である。
「ここは聖都の外れにある森の中だ」
「せい……?」
少女は小首を傾げる。
シルヴァーノを恐がる節が全く見受けられないことから、悟とは反対に警戒されていないと見た。
シルヴァーノはゆっくりと少女に歩み寄り、目を合わせるように屈んだ。
「聖都シルヴァスタニア、聞いたことはないか?」
「聞いたこともない。
てか、聖都って付くくらいなんやから、それなりに大きいんよね?
初めて聞いたで」
再び首を左右に振る。
「そうか……」
「あ」
シルヴァーノが溜息交じりに俯きかけた時、少女の声で再び顔を上げた。
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