第1章

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「…真梨」 彼が、私の名前を呼んだ。 「なに」 私はそれに素っ気なく返事をする。 「僕たち、付き合ってるんだよね」 …またか。 彼は何度もその質問をしてくる。 昨日も2回聞いた。 もう、ホントいい加減にしてほしい。 「うん」 私は小さい声でこたえる。 私は彼と付き合ってる。 理由? 理由なんてない。 なんとなく。 「…じゃあ」 少し間を開けて 彼が口を開いた。 あ…今日は続きがあるんだ。 いつもはさっきの質問だけで終わるけど。 「…」 彼が立ち止まった。 彼に合わせて私も立ち止まる。 “じゃあ”の続きが気になるんだけど。 中々言い出さない彼に イラつきながら 彼を見つめる。 イライラしているのを 悟られない様、 できるだけ冷静を装い 何?とだけ言った。 そしたら、彼は 言いにくそうな顔をして口を開いた。
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