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「…真梨はきっと、僕といつから一緒にいたのかも覚えてない。そうでしょ?当たり前だけど」
そう言って彼…
じゃなくて、翔は歩き出した。
当たり前?
何それ。意味わかんない。
どういうこと?
と、口を開こうとしたところで
翔に遮られた。
「僕のいるクラス、真梨は知ってる?」
…知らない。
私は翔のいるクラスを知らない。
思えば、私は
自分の彼氏の事、
何も知らないんじゃないか?
「知らないよね。それが正解だよ」
翔はそう言って
また立ち止まった。
そして、
ゆっくり私に近づいてきた。
「え、な…なに?」
翔は何も言わないまま
無表情で私を見つめる。
深い闇が続いた瞳は私の眼を捉えて逃がさない。
私は怖くなり、
翔が近づくに連れて
思わず後ずさってしまう。
翔は無表情のまま
口を開いた。
「僕は」
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