第3章

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次の日。 俺は学校に着くと由香里を確認した。 由香里はいつも通りのポニーテールで本を読んでいた。 ....よし。ちゃんと来てるな。 昨日、由香里に約束させたことがある。 学校にはいつも通り来ること。 学校内ではいつも通りに接すること。 俺の言うことは何でも聞くこと。 このことは誰にも言わないこと。 これからも、図書室に来ること。 この約束が出来るなら、久保とのことを誰にも言わない。 由香里の横顔を見るといつもより暗かった。 ....まぁ、当たり前か。 俺は自分の席に着いた。 「・・・智也、おはよう」 拓人があくびをしながら俺に近付く。 「お、おぉ」 俺は目線を急いで拓人に向けた。 「・・・今日、雨だから体育館で体育だって」 拓人の目の横に涙がついている。 「そうなんだ」 俺が答えると、拓人が俺の顔を覗く。 「・・・なんかあった?辛そうな顔して」 俺は驚いて、拓人を見た。 「・・・・え」 ....俺が。辛い? ーーーキーンコーン。 予鈴のチャイムが鳴った。
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