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「ホント良かった今日、雨で・・・あ、里美ちゃんバレーしてる」
正樹が女子の方を見ながら言う。
「でも、雨の日って大変だよね。体育館、半分に分けて男子と女子使ってさ」
拓人は男子のバスケの試合を見ながら話す。
俺達は自分の試合が始まるまで体育館の隅に座っていた。
「そうか。俺はいいけどなー」
正樹がにやけた。
俺は二人の会話を耳にしながら由香里を見る。
半袖、短パンの体操服を着ていて、俺と同じように友達と話ながら試合の順番を待っていた。
....昨日、あの体を・・・そして、これからも。
ーーピー。
男子の試合が終わった。
「次、試合だって」
拓人と正樹が立ち上がり、俺もつられて立つ。
立ち上がった時、遠くだが、由香里と目が合った。
由香里はすぐに目を反らし、いつものように手を振ることはしなかった。
....あんなことしたんだから当たり前だよな。
俺はゼッケンを着た。
...もう、戻れないんだ。
ーーピー。
試合が始まり、俺は走り出した。
女子が男子の試合を騒ぎながら見ている。
...戻れないなら、行ける所までいってやる。
俺はシュートを決めた。
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