第1章 宿星―赤と緑

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月明かりの下に赤く燃え上がるような鮮やかな朱夏道着(しゅかどうぎ)に包まれ、その美しさはまるで天女のようでもあり、また、凛とした佇まいは破邪の気を纏う阿修羅のようでもあった。 屈強で恐れられている野盗どもといえども、まるで灼熱の紅風に打たれたように気押され、十間ほど手前で馬首を引いて止まっている。
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