2/3
前へ
/221ページ
次へ
古代中国、戦乱の時代ーー 秦の始皇帝の死後、中原(ちゅうげん)を制定した劉邦(りゅうほう)が漢を建国して早300有余年。 漢室の威厳も衰退の兆しを見せ始めた二世紀の後漢。 黄巾(こうきん)の乱に始まる帝室の没落も極まり、董卓(とうたく)呂布(りょふ)などの奸雄(かんゆう)が乱世を跋扈(ばっこ)し、更なる混沌(こんとん)の世に(おとしい)れた。 そんな騒乱の中、三つの巨星が地に舞い降りる。 ()の地に、天の機をその手に基盤を固めた曹操(そうそう)()の地の利を生かし、広く優秀な人材を集め磐石(ばんじゃく)を築いた孫権(そんけん)。 義の旗の下、人の和と皇室の血脈という正義を(かざ)し、巴蜀(はしょく)の地を(のぞ)む劉備(りゅうび)。 世に言う、三国時代の幕開けである。 幾多(いくた)勇猛才略(ゆうもうさいりゃく)に長けた将星(しょうせい)たちが戦乱の世を()りなす中、男たちの陰でただ生の与奪(よだつ)を受け入れるだけの生き方を良しとせず、自らも闘いへと身を投じてゆく、女傑(じょけつ)たちがいた。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加