第1章 宿星―赤と緑
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威嚇ではあるが、明らかな敵意を含むその矢を軽敏な身のこなしで難なくかわしつつ、佳人は騎馬の横腹を蹴り飛ばし、湖沿いの林道に駒を進めた。 すると、数騎を先頭に、どこからともなく湧いてきた騎馬の群れが黒煙を捲いて追い縋ってくる。 その数、ざっと見積もっても数十に及ぶようである。 (来たな!) 後ろを見遣りながら、素早く腰の弓を手にし、矢を遣え、いつでも放てる準備をした。
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