第1章 宿星―赤と緑
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騎馬の群れが近づいてくると、徐々に男たちの声が聞こえてくる。 口々に、猥雑な言葉を無遠慮に並べたてる。 この辺りに巣食う野盗たちである。 「ゴミどもめ!」 佳人は無意識に舌打ちし、呟いていた。 そんな状況下にあっても、この佳人の口元にはかすかな笑みさえみえる。 その容姿からは想像もつかぬほど豪胆なようである。
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