第13話*心の音

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――『門のとこにいる』 そんなメッセージを受信して、慌てて廊下に飛び出た。 正門を見ると、人の影。 「行ってくる!」 一緒に廊下まで出てくれていた久恵にそう早口で告げると、 「美希っ!頑張れっ」 そう背中を押してくれた。 3階から猛スピードで階段を降りていると、授業開始のチャイムが鳴る。 そんな音を振り払い、無心で正門へと急ぐ。 急いで靴を履き替えて行った先には、ジーンズと半そでのシャツに身を包んだ優が携帯片手に立っていた。 膝に手をついて、呼吸を整える私を見てため息。 「来る前に返信くらいしろよ…」 相変わらずの冷たいセリフ。 久しぶりの再会なのに、甘さのない優の言葉にはガッカリ。 でも、普段通りの優にホッとさせられもした。 「お帰りなさい!」 そう笑った私に、優は一瞬戸惑った表情を浮かべたけれど。 「…ただいま」 ほんの少し口の端を上げて、優は穏やかに笑った。
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