第13話*心の音

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優の両親を見送った後も、私たちは焼鳥屋の壁に体をあずけていた。 私の左肩と優の右腕がぶつかっていて、お互いの重みを感じる。 閉店時間を過ぎたカフェや本屋が明かりを消す中、いつまでもその輝きを絶やさないコンビニや居酒屋の明かりを、ぼんやりと遠くに見つめていた。 「お母さんもお義父さんも、ステキな人じゃん」 そう呟いた私に、 「最低だろ」 と優が言う。 「…そうだね、最低かも」 私がそういうと、触れ合っていた優の腕が揺れた。 「子供の前でケンカするなんて最低」 「……」 「結婚してるのに他の人と、なんて信じられない」 「……っ」 私の言葉に、もたれていた体をおこした優がギロリと睨む。 「だけどさ」 「あ?」 「だけど…っ!!」
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