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「優は、愛されてたね」
そんな私の言葉に、優は茫然と立ち尽くす。
「先生だって優を心配してる」
「……」
「奈々だって、優をたくさんたくさん好きだったんだよ」
「……」
「私だって…っ、優が大事、でっ、」
それ以上は涙と嗚咽で言葉にならない。
傍を通り過ぎる人が好奇の眼差しを向けてくるけれど、それ以上に優が両親に愛されていたことがうれしくて。
ぽろぽろと涙を流す私の頬に、しょっぱい雨が降った。
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