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レイラの右手が柔らかな光に包まれ、熱を帯びる。
治癒魔法が発動したのだ。
傷口から煙が上がっているのが毎回見ていて不安になるが、毎回何もない。演出とかその様な類いのものだろうか。
「そうそう、ここの住民達、やっぱりここに戻りたいって」
「勝手だね。私が直接お願いしてくるよ」
この島に今戻ってこられても困る。
侵略される可能性よりも島中に仕掛けたトラップの方が危険すぎる。
大小無数のトラップはどれも即死級だろう。仕掛けたのがレイラなのだから。
「魔王様が行かなくてもロイドに任せたら? よく他の種族にも顔を出してるみたいだし」
そろそろロイドの説明をしよう。
オーガ、ロイド・ジン。どこかの島国ではオーガを鬼と呼ぶらしい。悪逆非道の限りを尽くすだとか。
ロイドは先代から遣えていた言うなれば古参である。
その他大勢の先代に遣えていた魔物は私と反りが合わなくなりどこかに消えていった。
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