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レイラが何か言いたそうにこっちを見ているが私はそれを無視して話を続ける。
「勿論、私の魔法の練習は続ける。けど、途中、軍隊が来たらレイラ、私と二人で対処できる?」
私情で城を空けることに戸惑いが無いわけではない。
でもそれ以上に城を落とされるのはまずいし、レイラにも苦労をかけたくない。
私の自分勝手な提案にレイラのフォークを持っていた手が止まり、表情が些か固くなる。
過去、いや現在も謎技術で自由に外の世界と島を行き来している。
幼少の頃、傭兵として外の世界で文字通り命をかけて戦ったのが余程レイラの根幹に突き刺さっているのか。
何が言いたいのか。
外は危険だとレイラはそう思っているだろう。
「…………分かった。明日行こう」
「迷惑かけてごめんなさい」
表情に陰りを見せながらレイラは小さく微笑んだ。
その表情に私は何とも言えない罪悪感に襲われるのだった。
「遅かれ早かれそうなる気はしていたよ……ごちそうさま。お風呂入って来るね」
眩い転移の光が私を責めているようだった。
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