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足元を冷たい風が撫でた。
ガラス張りの扉に顔を向けるとやはり開け放している。
ベッドから抜け、扉を閉じる。
閉じた扉から外を眺めると、月が半分、闇に食い潰されていた。
「あー、何かヤな予感」
抽象的な表現はあまり好まないが、心の隙間に染み渡るような気持ち悪さ。残酷で慈悲のない現実を突然突き付けられた、そんな感覚。
何故、今そのような感覚を覚えたのか、自分のことなのに、分からない。
「……ま、いっか」
カーテンを閉め、再びベッドに戻り、布団の中に入る。
一人で寝るには多少大きすぎるベッドで寝返りを打つ。
頭まで布団を被り、目を閉じた。
明日、外に出られるんだ。レイラは嫌がっていたけど、罪悪感はあるけど、楽しみだ。
私が一度見た外の世界は廃墟だったから。それも外だと知ったのは後。
色々なことを考えているうちに、私の意識は沈んでいった。
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