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それが3日前。
そして全ての住民をレイラが移住させたのが昨日。
そして先ほど私の魔法が完成した。
感知魔法と攻撃系の魔法の併用したトラップを島の周りーーとりわけ潮の穏やかな、船が通ると予想されるルートに仕掛けておいた。
私の魔力量など高が知れている。
このような大仕掛けを一度でも使えば魔力はほぼ空になる。
そして今、先代が使っていた玉座に座り込んでいる。
「……疲れた」
だらりと両手を垂らし、頭まで玉座に預ける。
端から見れば魔王などではないと思うだろう。有難い。
だが、その安堵も束の間だった。
玉座の間。深紅の絨毯が敷かれ、壁には装飾が施されているその部屋の扉も勿論、豪華な造りだ。
扉がゆっくりと音もなく開き、外から入ってきたのは黒いローブと黒のとんがり帽子を被った女性だった。
「やぁ、レイラ。お疲れ様」
先に挙げたレイラ・ガーネットだ。
彼女を一言で言い表すのなら『黒』だ。
黒曜石を彷彿させる瞳。背中まで流れる艶のある黒い髪。対照的な白い肌。
「魔王様、それはどうかと思うよ?」
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