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見た目と得物のセレクトが逆だろ。とか、似合わないな。とか戦闘には全く関係ないことを考えながらも、次の算段を立てる。
魔力も残り僅か、スピードは互角。力は圧倒的に奴が上。
半ば戦いを投げたい状況だが、私は降りることができない。
派手な魔法を使うことは出来ない。子供騙しの様な陳腐な魔法が数回分。
回せ、頭を。
そして見つけろ。勝利の礎を。
自分に言い聞かせながらも男はとの戦闘は続いている。
刃を滑らし、ダガーを避けようとするが、相手の方が一手早かった。
大剣の脇をすり抜けるように移動し、私に向かってくる。
「終わりだ」
男の声と共に私のこめかみに向かってダガーの先が迫る。
上体を反らしたところで私がしたように曲げてくるだろう。
つまり、避けられない。
ならば、受ければいい。
空いた左手をダガーに差し出す。
激痛。焼けるような痛みが左手を支配する中、私は笑った。
「誰が終わりって?」
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