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じわりと滲む涙の雫は、白い肌を滑り落ちてサフィンの頬へぽたりと弾かれた。
「でもっ、でも……フラルラさんは」
ちらと、少し離れた所で寛ぐサラダム達を見やり、フィールフィーリアの肩を抱き寄せ、涙を拭いてやる。
「人様の家は関係ない。うちはうち、よそはよそだ。我が家は気長にのんびり子育てを楽しめば良いさ」
乳飲み子を連れた長旅は、大人にも辛いものがあるのだから、フィーにはもっと気を配るべきだったのだ。今更ながら、そんな当たり前のことを改めて自覚させられた。
ごめんと、口にする代わりに優しくキスをする。
「……ん」
だんだんと深まり、久しぶりに甘い空気を纏った俺達を遮るものは……可愛らしいおならの音。
ぶぶぅっ。響いた音に肩が跳ね、目尻と頬を赤く染めたフィーは慌てて俺から離れていく。
「む~ぶぅっ」
一人だけのけ者にされて不満が爆発。怒りで力みすぎておならが出たらしい。
思わずフィーと二人顔を見合わせていると、自分のおならに吃驚してちょこんとお座りしていた姿勢からコロンと転がり、目をまあるくしている。
「さ、さふぃんったら」
「おっと、大丈夫か?しかし良いおならだな。どれ」
抱き上げてオムツを確認。
甘い空気は立ち消えたが、まぁチャンスはいくらでもあるさとサフィンを腹に乗せ、フィーの膝枕を堪能させてもらった。
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