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《ほとけつくってたましいいれず・六》
それからは、仕事の休みには必ずリアノーファへ会いに行った。清潔な環境で、湯に浸かり、汚れを落としたリアノーファはやはり美しい子供だった。周囲の誰も、リアノーファを特別な目で見ないことに少し驚くほどの美人だったのだ。
気がつけば、忘れることも振り切ることも出来ぬ強い想いを抱いていた。朝も昼も夜も、仕事さえ手に着かないほどの想い。それまで肉体関係を持ったどの女性体より、リアノーファを深く愛していた。
たとえ、身体の結びつきなどなくとも、ただ側にいられたらそれだけで、笑顔を見られるだけで、幸せだった。
リアノーファさえ居るなら、どのような過酷で苦しい訓練にも耐え、どれほど恐ろしく痛みの溢れる戦場にも迷いなく向かえる。リアノーファを守れるなら、命さえ差し出せるというのに……誰一人として私たちを祝福してはくれる者はいなかった。
なぜ、と思う。
それまで生きてきて、引かれた道を言われた通り進んできて、初めて願ったことがなぜ叶わないのか。
親を、全ての人を、環境を、何もかもを恨み、憎み、リアノーファと伴侶になれないならば、私はなぜ生きているのかと、心は荒れ。そのうち、リアノーファは去り、両親は老い衰え田舎へ引っ込むと、虚しさだけが私を支配した
リアノーファ、私は愚かでどうしようもない男だが、例え二度と君を抱くことが叶わなくとも、それでも変わらず、君を愛してやまないだろう。
そして、
「……フィールフィーリア」
まだ見ぬ、私の血を分けたこども。
きみはわたしを、うらんでいるだろう。
だが、ねがわくば、きみがぶじでいることを、ただそれだけを、いまは。
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