第2章 婚姻─出産編

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「___フゥゥム。そうじゃな、まず簡単なことから教えていかなきゃならん。第一に知らねばならんのは、母体が両性体であるが故の危険じゃな。女性体とは違いが多々あるわけじゃが、まず、妊娠期間が短いことじゃ。女性体の妊娠期間が約十月(とおつき)。じゃが、それに反し両性体は女性体の半分の期間で産み月を迎えるわけじゃな。しかし、半分と言うのはその分身体の変化も急じゃからの、負担も多いのじゃ。そのように過酷な出産を終えると両性体は暫く、そうじゃなぁ…長い者は半年ほど、療養するじゃろな。その期間は伴侶が両性体と赤子の面倒を見るのじゃ。あーそれから、両性から生まれる子はちいちゃくってな。腹にいる期間が他の半分じゃからそれは仕方がないことじゃが…故に身体が出来とらんで、生まれたら、一回り重くなるまで…ん!一月(ひとつき)は抱いて過ごさねばならん。あまり床に下ろすのは奨められん。ある程度育つまでは体温を下げると直ぐに弱り病にかかるからじゃ。食事は母乳か、粉の乳を湯で溶いて飲ませることじゃ。大抵は病院や薬屋で買うことができるからの。ま、お主らは買う必要はなかろう。衣服は布を買い、縫うことじゃ」 お医者の先生の話は長くて、正直に言えば半分も覚えられなかった。 「あー、おむつは?どうすんだ?」 それでも、お医者の先生は口を休めないし、サクヤさんも気軽に質問して、話は進んで行く。
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