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そして、首裏で腕を絡ませると、背伸びをしてブラックの顔に自分の顔を近付ける。
「ブルー?」
戸惑いがちに俺の名を呼んだブラックの瞳には俺が映り込んでいる。
その瞳を俺は射るように覗き込みながら口を開く。
「そんなの…、俺が一番綺麗なのは、当たり前だ…」
そして何か言葉を紡ごうとしたブラックの唇を、俺はそれより早く自身の唇で塞いでしまう。
「!」
ブラックの瞳が一瞬驚きに見開かれる。
しかし、すぐさま柔らかく弧を描いた。
それを見て、俺も合わせた唇の端から笑みを零した。
…俺の心の隙間はブラックの不器用なトキメキで、跡形もなく満たされていったんだ。
――――――――終わり
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