ブラック×ブルー

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「綺麗だ、おまえの上腕二頭筋」 しかしブラックは俺の腕を掴むと、ゆっくりと折り曲げさせながら筋肉の躍動のみを見つめ、さらにそう呟いた。 その瞬間、俺の高揚していた気持ちはみるみる冷えていく。 「…っ!!離せよっ」 俺は乱暴にブラックから腕を引き剥がした。 「どうした?」 そんな俺をブラックは不思議そうに見下ろす。 ああ、俺がバカだった。 こいつの頭には筋肉のことしかないんだった。 どうせこいつにとっちゃ、レッドの僧坊筋も桃の大殿筋もグリーンの腓腹筋も全部、綺麗なんだ。 俺はイラつきながらブラックの前から身を翻す。 「ブルー?」 背後からブラックの戸惑いの滲んだ声が追い掛けてくるが俺は振り返ることもせず、トレーニングルームを足早に歩き抜け、入り口の扉に手をかける。 「!」 しかしその一瞬先に、向こう側から扉が開く。 「あれ?もうトレーニング終わり?」 無邪気な声を上げて部屋に入って来たのは桃だった。
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