ブラック×ブルー

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「ああ」 俺は素っ気なく返事をして、すぐさま部屋を出ようとする。 しかし、桃は強引に俺の前に回り込んできた。 「どしたの?ブルー?何かあった?」 「は?何もねーよ」 俺は桃のクリクリとした大きな瞳を一瞥する。 すると桃は眉間に小さくシワを寄せ、俺の顔を覗き込んできた。 「じゃどうして、ブルー、泣きそうな顔してるの?」 「っ!」 俺はギュッと下唇を噛み締める。 俺が? 泣きそうだって? 「ねえ?」 「な、何もねーよっ!」 俺は桃の何の作為もない真っ直ぐな瞳に見つめられると、胸の中に堪えきれない苛立ちを覚え、桃を突き飛ばすようにその横を通り抜ける。 「わっ、ブルー?!」 そして逃げ出すようにトレーニングルームを後にした。 そうだ、何もねー。 俺とあいつの間には何もねーんだ…。
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