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暗い地下水路で、足音を鳴らして走る一人の少女。
鳴り響く足音は、一つではない。どうやら少女は何者かに追われているようだ。
息を切らし、懸命に走る少女。長めの黒髪は左右に揺れ、白いきめ細やかな肌をほんのり朱く染まっていた。
「そこまでだ」
しかし、その少女の前に一人の男が現れる。その手には両刃の剣が握られている。
足を止めた少女は、構え、そしてその手に光が集まる。すると、その手に薙刀が現れる。
「いい加減にしてもらわないと困るな。巫女様よ」
男は少女へと歩み寄る。それに合わせ、少女も後ろ下がっていくが、もう一人の追っ手が後ろから現れ、足を止める。
キッと剣を握る男を睨みつけるが、男は動じる様子はない。
「いい加減諦めてもらえると助かるんだがな。君の願いも叶うだろう?」
「あなた達のやり方を認めるわけにいきません」
「そうか、ならば仕方ない。実力行使といこう」
男は駆け出し、少女へと迫る。すると少女も同様に男の方へと駆け出す。
「その疲弊した状態で、俺と戦えると思っているのか!」
男は少女の薙刀を弾き飛ばし、顔に剣先を向ける。弾き飛んだ薙刀は天井に突き刺さり、落ちてはこない。
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