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「なるほど~。
とすると舞に告げたプロポーズの言葉も妖しいわね」
「妖しいって...」
なっちゃんが、眉根を寄せて、心配げに私を見つめた。
「元彼が、舞にちょっかい出してこなかったとしても、
約束が、一年後っていうのは、なんかだか妖しくない?」
「そ、そんな、小栗が、詐欺師みたいなこと言わないでよ」
「其処までは言わないけど。
1年って、あっという間に思えて長いわよ。
口先だけでは、結婚という縛りでキープできるけれど、
1年の間に舞より良い彼女が出来たら乗り換える事も出来るわけでしょ?
縛っているようで、縛ってないともいえるわけ。
それでいて、舞は馬鹿正直に彼のために、フランス語勉強したり、
料理教室通ったりしちゃって、彼との結婚生活夢見てる間に
一年あっという間に経っちゃって、あ、やっぱり、あの約束はなしってことで、
って、彼に言われても、痛い目見るのは、舞だけなのよね」
なっちゃんの発言はマシンガンの如く心臓を蜂の巣にした。
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