第1章

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「結婚しても、小栗ーって旦那の事、呼ぶつもりじゃないでしょうね?」 「舞ならありえそう」 もりりんと、なっちゃんの声が揃った。 「べっ!!べつにいーじゃない。呼びたいように呼ぶの!!」 切れ気味に、叫び。空っぽのグラスに、ボトルの最後の一滴まで垂らし啜るように飲干した。 酔いのせいか、恥ずかしさで、気分が高揚してるのか、判らないほどに、カラダが熱を帯びている。 「彼女でしょ?恋人でしょ? 他人行儀な間柄じゃないんだから、少しは彼女らしく振舞いなさいって言ってるの。 そういった細かい距離縮めていないことが原因で、大きな亀裂を生んだりするのよ やることやってるんでしょうが、セックスの最中ぐらい、名前で、呼ぶぐらいのこと、やりなさいって」 「や...その....そぅ.ですけど.......」 メインのハーブに包まれた、ラム肉のプレートを、 脇からサーブした金髪の髪を撫で付けたイタリア系ウエイターの笑顔に応える余裕もなく、 顎が外れそうになりつつも、レーナにはっきりと言われた言葉に反論の余地もない。
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