第1章

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「....佐藤、,,,,佐藤さん?」 声色が想像と異なり、 夢の世界から引きずり出されるように、視界が晴れてゆく。 白いスモークのかかった大きな窓。 真っ白なリネン。 黒檀のウォーキングクローゼットの扉。 目をぼんやりと開いた視界の中に入り込んだ人物は、 先日黒縁眼鏡をかけて変装していた彼。 今日は、淡いキャメル色のジャケットに、 オレンジのチェックのシャツを合わせている。 「な!!!!成宮さんんん!!!」 ようやく事態に気づき、 きょとんとしている彼の名を、指を指して呼んだ。
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