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リハーサルは12時ちょうどに始まった。
プロジェクトにおけるリハーサルの重要度は高い。
本番同様に時間通りに始めることは、緊張感を高め、モチベーションを上げる。
社内とはいえ、緊張感のある空間で、私たちは納得のいくまでリハーサルを繰り返した。
コンペはプレゼンと質疑応答を含めた一社45分が持ち時間。
そのために2時間のリハーサルを行った。
リハーサルが終わると、緊張感から解かれ、急に空腹感が襲ってくる。
「稲森、昼、行くか?」
声を掛けてくれたのは市原さん。
昨夜のモーションの出来もメンバーには好評だった。
そのせいで市原さんも機嫌がいい。
「はい。行きます」
そう返事をしながらいつも通りにクラッチバッグに最小限のものをまとめる。
リハーサル中、デスクに置いてあったスマホを手にして
異変に気付いた。
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