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ミーティングルームは会議室のイメージからはかけ離れた、お洒落な照明とオブジェとソファが揃ったリビングのような雰囲気だった。
堅苦しくなく、リラックスして自由な発想で意見交換が出来るように配慮されたものだった。
いつもは和(ナゴ)めるはずの空間でも、私のカラダは強張ったままだった。
部屋の中心にある二人がけのソファには、いつも大きなクマのぬいぐるみが座っている。
私は迷わずそのクマの隣に座り、震える指先で今度は見知らぬ番号を表示させた。
もう…両手でないとうまく操作も出来なかった。
右手にスマホ。もう一方の手でクマの腕を握りしめた。
耳から少し離したスマホからは
さっきは聞こえなかったコール音が当然のように流れてきた。
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