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神様の悪戯――それは、あまりにも突然だった。
「青山さん、お疲れさまでしたぁ。お先に失礼しますね」
「あ、お疲れさま。雨振りそうだから気をつけてね」
「はぁい」
これから仕事帰りデートなんです。と言わんばかりのリア充オーラを撒き散らし、ルンルンしながら去っていく可愛い後輩の背中を、青山奏は笑って見送った。
ふと時計を見ると、とっくに就業時間は過ぎていたが、頼まれていた仕事がなかなか終わらず、今日はここまでにしようかと思っていたその時だった。バッグの中で携帯が鳴り、奏はメールを開いた。
送信者:柴野涼
件名:お疲れ
本文:まだ会社? やっと打ち合わせが終わった。これから食事でもどう?
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