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嵐のような時間が過ぎ、結局、片山カップルの結婚式に御堂がクラシックの生演奏をするという事になった。
現金な杏子は、御堂が世界的に有名なヴァイオリニストだということを知るやいなや、上機嫌で帰っていった。
「あの、本当に良かったんですか?」
奏は御堂のマンションから見渡せる夜の街並みを、ガラス越しに見下ろしながら言った。
あのあと、奏はまるで拉致されるかのように御堂の車に乗せられてここに連れてこられた。
車の中で何回も柴野から電話がかかってきていたが、奏は運転する御堂の横でその電話を取ることができなかった。
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