第1章

6/6
前へ
/17ページ
次へ
エレベーターが開き、白で統一された薄暗い廊下と番号が振られた個室が目に入る。 「どや?懐かしいやろ~、今じゃただの廃墟になってしまったけど、ものは使いようやな。」 「ここって……」 「おぉ?なんか思い出した感じかな~。」 個室の中には、ベッドが四つ向かい合わせに並べられていている。 そして、それらは全て空室なんだ。 思い出したよ。 ここは五年前に廃墟になったんだ。 「……高技能力開発スクールなのか。」 「ピンポン!正解。」 まさか、まだ残っていたとは思わなかった。 ここは、僕が育った施設だった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加