プロローグ

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「あっ、あの……お兄ちゃん。どうかしたの?」 冷んやりと寒気が走った。 本来の僕なら、逃げていたと思う。 正常な僕ならこの瞬間逃げた。正常ならば。 「あぁ、その……何でもない。そのさ……月が、そう月が綺麗過ぎて驚いたんだよ。……すまない。」と苦笑しながらそう答えた。 そうさ、忘れていた。今の僕は正常ではなかったんだ。
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