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ギイギイと錆びた鈍い音を鳴らし、ブランコに座っていた彼女がその場に立ち上がる。
そして、何故か彼女は、祈るように両手を組んで、微笑みながら話し出した。
「それは~とても素敵です。あぁ~是非、私も……一度見てみたいです。」
まるで、月に恋してるかのように甘く優しく、哀れに見える。
「……そうか。」
その芝居地味た光景から、僕は何と無く彼女を理解した。
それに気付いて、僕は彼女の手を取ろうと手を伸ばしたが
次の瞬間。
バンッ
背後から一発の銃声が鳴り響いた。
それはあまりにも、一瞬で呆気ない程アッサリしていた。
ガックっと急に横に倒れ、気付いた時には冷たい地面の感触が頬に伝わった。
ドクドクと生暖かい液体が外に流れ始めて撃たれた事をしる。
あぁ……これ駄目だな。
消えゆく意識の中、何故か僕は笑っていた。
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