6人が本棚に入れています
本棚に追加
目が回るほどに広く、一面、どこを見回しても本ばかり。
琥珀色の光があふれる室内。
茶色の本棚は色とりどりの背表紙が綺麗だ。
古い木のような本の匂いが、どこか落ち着くアロマのように漂っていた。
人々は各々に、ゆっくりとした時間を楽しんでいる。
ひっそりとした行動音しかしない、穏やかな空間だ。
そんな館内の奥の、更に奥。
館員達でさえ知らない、扉があった。
扉の向こう。
中には見上げるほどの鏡がひとつだけ置いてある。
縁は立派な装飾で縁取られ、不思議な光沢で虹色に輝いていた。
鏡は秘密の入り口だ。
この中にはもう一つの空間が広がっているのだった。
そこは、“裏図書館・レーヴ”と呼ばれる場所。
本の世界を、この世界を守る者達、御伽衛勇士(オトギエイユウシ)がいる場所だった。
.
最初のコメントを投稿しよう!