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ルーチェがむぅ、と頬を膨らせる。
「だいたい、剣とか槍とか、大振りのものばっかり特訓させられても困るってのよ。人には向き不向きがあるんだから!」
今日の揉め事は、武器についてのようだ。
御伽衛勇士は、物語のなかに入り、闇を討つ。
その時にどうしても、城の衛兵や、闇に操られた魔物等と戦う事がある。
戦闘訓練を欠かす事はできないのだ。
見習いのルーチェは、戦い方からその身にきっちりと学び、叩きこまなくてはいけない。
「今日は細身の剣だったろうが。あれは女性勇士用のものだぜ」
「う…、いや、私は剣術が向かないってことよ。だからもっと別の武器をね」
「別のだぁ!?」
「例えば、弓とか格好いじゃない?」
「馬鹿かお前はっ!! あれは矢の補充を常にしなければならないんだぞ。なきゃ丸腰と同じだ。他の武器も装備しなきゃ、やってられん」
ラウにぴしゃりと言われて、ルーチェが渋面をつくる。
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