6人が本棚に入れています
本棚に追加
ルーチェは溌剌としているのだが、反対にイルシオンは表情をあまり動かさず、口数も少ない。
何を考えているか分からず、冷徹な性格がルーチェには受け入れられないのだ。
「空元気でそこまで走れるなら、次からはもっと練習量を増やしてもよさそうだ」
「はぁ??」
ルーチェは耳を疑った。
教育係のイルシオンが戦闘訓練もしているのだが、その厳しさたるや、まさに地獄なのだ。
これ以上しごかれたら死んでしまう。
「ったく、速いな。本当にどういう作りなんだよ。お嬢ちゃんの体は」
反発の声をあげようとしたのだが、後ろから追ってきたラウに阻まれてしまう。
「何よ! セクハラ?」
ルーチェは、邪魔をするなとラウを睨み付ける。
「するか、そんなもん! その瞬発力、機敏さをもってて剣術の基本も出来ねえのがおかしいっての。なぁ、イル」
バシッ。と表紙でルーチェに突っ込んで、ラウはイルシオンの横に移動した。
.
最初のコメントを投稿しよう!