9. 結末

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「・・・助けた? 何から?」 「お・・・」 答えようとした遥の意識が一瞬遠のいた。 「遥?」 様子がおかしいことに気がついた颯が、頬を軽くはたく。 再び目を開ける遥。 どこか焦点の合わない瞳。 宙をさまよう視線が、颯を捉えた。 「お、にいちゃん・・・」 「?」 一瞬、聞き間違えたと思った。 だけど、今度はしっかりとした声で、お兄ちゃんと、呼ばれた。 「遥・・・?」 「ごめんね・・・」 白い手が、頬に添えられる。 「ずっと、謝りたかったの。毎朝淹れてくれるカフェオレ、美味しかった。勝手にいなくなってごめんなさい。だけど、幸せだったよ。お兄ちゃんは、今幸せ?」
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