9. 結末

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「今も瑞希の側にいてくれたんだね」 微笑が浮かぶ。 「遥の父親として、そして瑞希の兄として、礼を言わせてくれ」 そう言って、頭を下げた。    ◇ 何を・・・ 何を言っているんだ? この男は。 「顔を上げてください。あなたからお礼を言われるようなことなんてしてません」 そして、頭を上げた男と目が合う。 この目、どこかで・・・ 「君の名前を聞いていなかった。教えてくれないか?」 「名乗るほどのものではありません」 「いや。今の名前じゃなくて、昔の。君が池田屋で傷を負った後、どうなったのか。ずっと気になっていたんだ」 ドクンと、心臓が跳ねた。
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