9. 結末

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「正解」 目を細めて笑う、目の前の男。 沖田が、遥先輩の父親で、瑞希の兄? いっぺんに飛び込んできた情報に、少し混乱する。 「今は、ただのおじさんだから。そんなに警戒しないでくれ」 ただのおじさんが、さっきみたいな殺気を放つのかよ。 「信用されてないね」 クスリと、笑いが漏れた。 「お前にも、前世の記憶があるのか?」 すでに、敬語を使うことも忘れていた。 心が、過去へ飛んでいく。 池田屋。 こいつに右手を傷つけられていなかったら。 あの時、あんな男にてこずって、瑞希をむざむざと殺されることもなかったんだろうか・・・ そして、全てが今更言っても仕方ないことであることに気づく。
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