1. 全ての始まりへと

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「あの、私と付き合ってください!」 夕暮れ時の教室。 誰もいない世界で一人、静寂を楽しむひと時。 見上げた茜色の空は、あの頃と何も変わらない。 変わったのは自分。 そして、自分を取り巻く世界。 窓から視線を外して、声の主に振り返る。 「君、誰?」 勇気を振り絞って、告白したものの、冷めた顔に、冷たい視線に、怯んでしまう女の子。 「えと、隣のクラスの・・・」 「名前、聞いても覚えられないし。」 覚えられないほど愚かではない。 でも、覚えておくほどの価値もない。 そう、判断しただけ。
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