1. 全ての始まりへと

5/16
前へ
/228ページ
次へ
「邪魔したか?」 「いや、助かったよ。」 また、目の前で泣かれたら面倒だ。 そう思いながら、前髪をかき上げる。 声に出したはずのない、最後の言葉まで伝わったのか、瀬尾 明(せのお あきら)が顔をしかめる。 「お前みたいな男のどこがいいのかわからん。いつか刺されて死ぬんじゃね?」 「そんなへまはしないよ。」 君じゃあるまいし。 「俺は、来るもの拒まずだし、それなりに付き合ってるから、お前とは違うんだよ。恨みを買った覚えはないね。」 またまた、伝わってしまったらしい。 そんなに顔に出したつもりはないのに。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加