江南団地と白い車

7/10
前へ
/39ページ
次へ
「では、また明日。」 そう言って私は、子どもたちに手を振りながらゆっくりとバスのドアを閉めた。 ・・・ようやく少し、緊張が解れる。 次の停留所までは少し時間の間隔が開く。 私は出入口近くの座席に腰を下ろし、ふと窓の外に目をやった。 何棟にも連なる市営住宅の大きな建物。 その半分はとても古く、私が幼稚園児だった頃からある建物をまだそのまま使っている。 そしてもう半分は、5年前に増築された新しい建物。 同じ地域にある市営住宅でも、築年数15年以上の差はきっと大きいのだろう。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

167人が本棚に入れています
本棚に追加